話しかけてすら誰もしない。


まぁ理由があるんだけど。


パシン!!


「はっ!」


「うわっぁ!」


道場にひときわ大きく、木刀の音が響いた。


それは新八さんが指南している場所。


新八さんが隊士の木刀を防ぎ、そのまま素早く打ち込む。


すると相手は尻餅をついた。


「おっと、すまねぇ。強く打ちすぎた」


「いえ、光栄です」


新八さんの手をとる隊士。


やっぱり、新八さんの隊が1番まとまりある。


そこは新八さんの人柄が出てるであろう。


リーダー、つまり新八さんが崩れれば、二番隊は簡単に消える。


‥‥‥‥おっと、ダメダメ。


今は一応仲間同士なんだし。


山崎さんの指南は独特だなぁ。


山崎さんは周りに気を配るのが上手いから、的確に沢山の人に教えれている。


監察っていっても、剣の腕は山南さんとかと同等くらいある。


確か土方さんが暗器も使えるって言ってたような?


「でも、本当に北凪はよくわからねぇ奴だ」


「お前もそう思うか?実は俺もだ」


山崎さんの指南を見ていると、そんな会話が聞こえてきた。


どうやら隊士2人は、井戸から道場に帰ってきたようだ。


「なんか素っ気なさすぎるよな。俺らとも仲良くはしねぇし」


「剣壱の坊主と何かあるっていう噂だ」


「本当か?ああでも確かに。この前、坊主とは一緒にいる所を見たんだが、そりゃあもう楽しそうな顔だった」


「そうなのか!?でも、北凪は腕はたつし仕事も早い。山崎さんも気に入ってるって噂だ」


それはない、と心の中で突っ込みをいれる。