新選組と最強子供剣士

ああ、考えてなかったのね。


近藤さんのどもる様子を見ながら思った。


一番大事なことを忘れていたらしい。


うーん、芹沢さんとかに見つかったらまた怒られそうだ。


「そ、そうだ、私の部屋なんかどうだろう?」


「近藤さん、忙しくて部屋にほとんどいないんじゃない?」


「ぬ、で、では、歳の‥‥‥」


「土方さんに頼むんなら近藤さん1人でね」


「‥‥‥‥」


ズーンと明らかに沈む近藤さん。


‥‥‥‥この人、似てるんだよなぁ。


いや、止めよう。


感情は出来るだけしまわないと。


「じゃあ、僕が小屋を作るよ。飼う場所は後で決めればいいし、とりあえず平にぃにでも頼んでみるから」


「小屋を作る?君は何でもできるんだな」


「そんなことないさ。さ、行こ」


僕は、近藤さんに向かってニッコリと笑って屯所に戻る。


さて、兎はとりあえず‥‥‥‥


「剣壱?それに局長」


「おお、一君か」


「それは‥‥‥兎、ですか?」


斎藤さんが兎を見て首を傾げる。


いつもの無表情が、少し引きつっているように見えるのは気のせいではないだろう。


そうだ!


「ねえねえ斎藤さん、しばらくこの兎達、頼んでもいい?」


「?」


「近藤さんが知人から引き取ったみたいなんだけど、どこで飼うか迷ってて。小屋は僕が作るから、その間頼みたいんだ」


近藤さんがというところを、強調して言った。


案の定、斎藤さんの瞼が動いた。


うんうん、断れないよね。