本当は部屋に閉じこもるなんて絶対に嫌だし。


けど、確実に藤堂さん以外の気配を近くに感じるしな。


100%近く監視役だろうね。


視線も感じるし、気配も感じるのにどこにいるかわからんない。


随分と手練れだな~


ついてきてるだろうけど物音もないし。


よし、ここは藤堂さんに聞いてみよう。


「ねぇねぇ藤堂さん」


「ん?何だ?」


「僕、さっきから視線を感じるんだけど、気のせいかな?」


「え?あ、えっと、そ、そうか?お、俺は何もか、感じないけどな~」


明らかに焦ってる藤堂さん。


この人、嘘をつけない人間だな。


動揺しすぎだろ。


それじゃあ子供も騙せないぞ。


「やっぱり気のせいだよね!」


ここは話を合わせてやろう。


藤堂さんは安心した表情を見せる。


わっかりやすい人だな。


「ここが俺の部屋だ」


襖を開けると、だいぶ殺風景な部屋が見えた。


広いわりには、なーんも置いてないな~


でも、ところどころにある埃を見ると、あんまり掃除していないのがわかる。


「広いね~何にもない」


「う、綺麗な部屋だと言ってくれ」


あ、気にしてたんだね。


心の中で謝っておく。


まぁどんなに言い訳したって、事実は変わらない。