新選組と最強子供剣士

僕の笑いを聞いて、佐ノさんが顔を歪める。


僕は笑い終わった後、佐ノさんに言った。


「仲間をどうやったら簡単に殺せる?そんなこと、出来るわけないじゃん」


僕はそう言ってやることしか出来ない。


だってそうだろ?


「裏切ったって、固い意志や決意があったって1回でも仲間だって認識しちゃったら、もう遅い。無理だよ」


僕は佐ノさんに近づき、胸に指を当てる。


「簡単に殺せたなら、それは仲間じゃない。少なくとも、佐ノさんはそう思ってない。ここにある〈心〉っていうものはそう簡単に割り切ってはくれない」


頭と身体と心。


頭で分かっていても身体が動かない。


それは、心が身体を蝕んでいるから。


「佐ノさん、冷酷になる必要なんてないんだ」


「だが‥‥‥」


「仲間が死んで心が痛む。そういう、あたりまえのことが大切なんだ。佐ノさんにとって、仲間は駒じゃないでしょう?それでいいじゃん」


仲間を簡単に殺せるのなら、それほど冷酷の者は少なくとも新選組にはいらない。


簡単に仲間を裏切る人間なんていらない。


そういう冷酷な人は、僕のような汚いところでも1人か2人で十分。


佐ノさんから離れて、僕は笑って言った。


「佐ノさんの優しさは長所だよ。辛いことでも引きずっていかなきゃ。背負う価値はある」


また、同じ過ちを犯さないように。


そうして人を守れるように。


「わからないんなら、考えればいい。それでもわからないなら、それでいい」


きっと、正しい答えなんてないんだから。


「剣壱、お前、本当に別人だなぁ」


佐ノさんが顔を手で覆う。


声は震えていた。


泣いてるんだろうなぁ。


これ以上は、何か言う必要ないかな。