新選組と最強子供剣士

顔を見なくても、土方さんの表情はわかる。


気持ちを押し殺しても前に進もうとしている。


「別に?もし土方さんが泣いても、泣き顔を見なくてすむように」


「泣くわけねぇだろう。餓鬼じゃあるまいし」


「そう?僕は泣いたんだけどなぁ」


「は?」


泣いた、泣き叫んだ。


仲間が死んだ時、仲間を殺した時。


自分の部屋で、気持ちを殺していたカギを外して。


自分の無力さに絶望し、後悔に押しつぶされ。


最後はただ無気力になる。


それでも仕事はこなした。


ただ思うままに、覚悟を胸にだいて。


「誰をやったの?」


「‥‥‥‥新見さんだ」


新見 錦。


なるほど、始めの被害者。


「いけすかねぇ奴だった。剣の腕が立つからと力で物を言う人だ」


「それでも、この新選組を支えた1人」


「ああ、そうだ。剣の腕はたつし、隊士の奴らには面倒みが良かった。俺も何度か話し合って酒を飲み合った」


「そんな人を、土方さん達は裏切った」


「そうだ。無理やりに、だがせめてもの救いで腹を自分を斬らせた」
 

腹を斬る。


武士は切腹で死ぬことは、誇りにのようなものらしい。


僕には理解できないが。


「山南さんから聞いたぞ。おめぇの言うとおりだ。俺らが裏切ったんだ。他の誰でもねぇ、俺らがな」


「‥‥‥‥後悔、してるんだ」


「後悔しない道を進め。お前の言葉だ。そう上手くはいかないがな」