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剣壱の構えが変わった。


まとっている空気も、さっきとは別物。


それに、さっき言ったことも気になる。


敬意を表する?


あれが、剣壱の言っていた暗殺剣か?


「山南さん、このままじゃあ死にますね」


「っ、どういうことだ?あれが剣壱の言う、暗殺剣か?」


そう聞きながら、北凪を睨む。


北凪は試合を見ながら、興味なさげに言った。


「土方さん、知ってたんですね。でも、あれは違います。あれは隊長の作った剣技です。誰にも教わっていない、隊長の剣。隊長の本気ですよ」


もう終わりが見えた。


そう北凪は言っているようだった。


試合は両者ともに動かない。


いや、山南さんは動けないのだろう。


「参ります」


ヒュン


瞬間、剣壱は消えた。


かろうじてその気配をたどると、剣壱は山南さんのすぐ後ろにいた。


その剣先は、心臓のある場所に突きつけられている。


静けさがあたりをおおう。


「まいりました」


初めに言葉を発したのは山南さんだった。


その言葉を聞くと、剣壱が小太刀をしまう。


そして山南に笑顔を向けて言った。


「いい剣だね」


と。


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