少し気を抜くと、山南さんに押し返された。


僕は素早く後ろに下がり、もう一度山南さんに斬りかかる。


ギン!!キン!キン!ギン!!


なかなか食えない人だな。


僕が新選組から逃げないようにしてある。


秘密が共有してると、信頼は生まれやすい。


「おや、まだ考え事をしてる余裕が?」


「山南さんこそ、まだ喋れる余裕あるじゃん」


「っ!」


剣のスピードを速める。


よし、久しぶりの真剣に身体が馴れてきた。


これならいつでも本気が出せる。


ギン!!ギン!!キン!


お、まだついてくるか。


剣のスピードを速めても、山南さんは遅れをとることがない。


ギン!!


「っ!!」


山南さんの剣の重さに耐えきれず、僕は少しよろけてしまう。


っしまった!!!


山南さんがその隙を見逃してくれるはずがなく、すぐにアタックしてくる。


「はぁ!!」


「っく、」


それをなんとか流して防ぎ、すぐさま間合いをとった。


くそ、この身体と小太刀じゃ、いつもの間合いじゃ足りない。


仕方ない、本気出すか。


静かに深呼吸し、山南さんを見据える。


「山南さん、あなたに敬意を表して‥‥‥」


殺気をだし、ゆっくりと構えた。