隊長はいつも勝手ですわね。


どうせ、ここに私がいるのにも気づいておいでなのでしょう?


「あれ、立矢君?」


声の方を向くと、不思議な顔をした沖田さんがいた。


北凪立矢(キタナギ リツヤ)


ここでは、この名前で通してある。


さすがに立花では、平隊士にも女だとばれてしまいますし。


「沖田さん、何かご用で?」


「山南さんに呼ばれたんだよ」


沖田さんの後ろには、幹部の皆さんもいる。


土方さんや沖田さんはともかく、近藤さん達までいるなんて。


ま、別にいいでしょう。


隊長なら、なんとかしますでしょうし。


「中に入るんですか?」


「ああ、通してくれ」


近藤さんの言葉に、私は溜め息をついた。


そして扉から離れる。


そして、近藤さん達は扉を開けた。


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扉の開ける音が聞こえる。


山南さんめ、人を呼んだな?


ギン!!


ギリギリと刀のしなる音がするほどに睨み合った。


足音的には、幹部の皆さん登場ってとこか。


「なんで呼んだの?」


「私は隠すのが苦手でしてね」


「嘘つき。どうせ、僕が逃げられないように皆を呼んだんでしょう?」


「さぁ?どうでしょうか?」