晩ご飯を食べ終え、僕は日を沈むのを待っていた。


隊士達は、晩ご飯を食べた後は部屋で休んでいる。


小太刀の手入れをし終え、鞘に刃をしまう。


「よし、行くか」


廊下を歩いて道場に向かう。


そういえば、真剣で戦うのってなにげに久しぶりだよなぁ。


毎日、木刀の試合ばっかだったし。


道場についたけど、扉は閉まっていた。


‥‥‥‥中に気配がある。


僕は扉を開け、静かに中に入る。


そして、静かに佇んでいる人に声をかけた。


「待った?」


「ええ、待ちました」


扉を閉めると、お互いに笑顔を見せる。


「話し合うより、剣と剣をぶつけるわけだ」


「ええ、その方がわかりやすいですから」


山南さんと間合いをもち、小太刀を抜く。


山南さんも刀を抜いて構える。


「本気できてよ?」


「そちらこそ」


少しの静寂の後、僕は床を蹴った。


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中で剣の交わる音が聞こえる。


道場の扉にもたれながら、私はその音を聞いていた。


なるほど、そういうことですのね。


広間で隊長と会った時、声をかけることができなかった。


とても楽しそうなお顔。


そして、それはどこか真剣で。


ハァ、この後、私と約束がありますのに。