新選組と最強子供剣士

「この餓鬼は斎藤が連れてきた。
名は桜木剣壱。八つだそうだ。
両親は死んだらしい。
着ているやつは異人からもらったそうだ。
隣に置いてある人形も同じだ。
最近ここに来たようだが、金も行く宛はないそうだ」


土方さんが僕の説明をしてくれている。


その間もご飯を食べる僕。


あ、この味噌汁うまいぞ。


「事情を知った以上、こいつも野放しにするのは出来ない。行く宛もない餓鬼を捨てたなんて噂が出かなないからな」


それで、僕をどうする気なんだろう。


「どうするかは近藤さんに決めてもらう」


近藤さんって、近藤 勇だよね。


たしか、新選組の局長さん。


局長さんが決めるんだ。


てっきり、土方さんが決めるんだと思ってた。


僕、どうなるのかな~


皆が局長さんに視線を送る。


どうやら、厳つい人が近藤さんらしい。


焦げ茶色の髪を結い上げていて、茶色の目が僕を見る。


何だか涙目になっているような気がする。


「いままで苦労してきたんだな」


話し出したかと思えば、いきなりそんな事を言ってきた。


「うん、君は新選組で預かろう!」


まさかの新選組で預かる宣言。


え、どっかに預けるじゃなくて、ここで預かるの?


まぁ僕はご飯さえもらえればいいんだけど。


「近藤さんの決定なら仕方ないか。おい餓鬼、
お前、何か自慢できることはあるか?」


決定しちゃったのかおい!


自慢できることね~


それにしても土方さん、さっきから餓鬼餓鬼って‥‥‥‥


いやね?本当に8歳なら思わないと思うよ?


でもね、僕、心は16歳だし?


8歳なのは見た目だけだし?