新選組と最強子供剣士

必要ないことはしないタイプ。


殺されそうになれば逃げよう。


白凰が手は離すと、僕の手を握ってきた。


驚いて白凰を見ると、気にした風もなく歩き始める。


やっぱりあれか。


逃げられないようにしているのか。


「ここだ」


白凰が立ち止まったのは『池田屋』と書かれている看板の前。


宿屋?


されるがままでついていくと、一室につくなり座らされた。


白凰も向かい合って座るが、何も言わない。


おいおい、何か話せよ。


「で、何?」


仕方なく僕からきりだすと、白凰は溜め息をつく。


なるほど、喧嘩を売っているのか。


いいだろう、買うぞ。


「小僧、あの小太刀はどこだ?」


「小太刀?自室だけど」


「抜けたのか?」


「?」


「鞘から抜いたのか?」


「そりゃあ、抜かなきゃ買わないでしょ」


正しくはもらったんだけど。


鞘から抜いちゃだめだったのか?


鞘からなら、親父さんも抜いてたけど。


「‥‥‥‥ハァ」


ておい!なんで溜め息!?


さっきからちょっと失礼なような気がするよ!


白凰は溜め息をつくなり立ち上がり、押し入れの襖を開ける。