どの時代も女の恋ものに興味があるらしい。


恋愛を溺れて滅びた国も昔はあったらしいからなぁ。


「な~いしょ!」


「えーなんで?」


「何となく!」


「うふふ」


「なんで笑うの?」


「だって剣ちゃんのことだから、大事な人にあげたんでしょ?」


「え、何で?」


「なんとかくよ。そうね、剣ちゃんはなんだか賢そうだからかしら?」


「賢そう?僕が?」


「そうね。なんだか、普通の子供じゃない感じがするの 」


「!」


何気なく、サラッと言ったお梅さん。


その言葉に思わず目を見開く。


本当にこの人は‥‥‥‥


ん~どうしようかな~


「ねぇお梅さん」


「なに?」


「お梅さんって芹沢さんのこと、その、好きなんだよね」


「え、え、ちょっと!」


顔を真っ赤にした慌てるお梅さん。


さてはて、その愛は本物か?


見ものだね。


「芹沢さんのこと、見放さないであげてね」


顔を伏せて僕はそう言った。


そしてそのままお梅さん達の前から走って去っていく。