お、落ち着け僕。


すぅーー、はぁーーー


ふぅ、ここ数年でこんなに取り乱したのは久しぶりのような気がする。


とりあえず、確かめるためにもあの芸姑と接触したいな。


「おお楓か。この方達が店に入りたいと言うてはるんやけど、金銭の方が‥‥‥」


「なるほど」


芸姑さんの名前は楓と。


男達は楓さんの登場で静かになる。


見とれてるのかな?


人が多くて聞き取るので精一杯だな。


「な、なんだ。空いてる芸子いるじゃないか。
おいお前、俺達に酌をやれ」


「あいにく、ぶをわきまえない輩にお酌をするほど人は出来ていないんです」


パァン!


楓さんがそう言うと、男が2人とも吹っ飛ぶ。


そして楓さんの手には普通より少し大きめの美しい扇子が。


まさか扇子で人を殴られるとは思ってなかったであろう男達。


そして男に蔑む目線を向けて一言。


「お帰り下さい」


‥‥‥いやもうドS全開だな。


男は楓さんの迫力に押されたのか、大人しく去っていった。


あの芸姑、用心棒みたいな役割もやっているみたいだな~


さて、どう近づくか。


「か、楓はん!」


「どうしはった?」


「せ、芹沢さんが芸子の髪を切って!」


「なんやて!?すぐに案内を!」


「こ、こっちです!」


楓さんは中に入っていってしまう。


芹沢さんが芸姑に断髪をさせる、か。


まーた新選組の評判落ちるな。