ん?誰かいる?


あれは‥‥‥


「お梅さん?」


「け、剣ちゃん!」


お梅さんは僕を見るなり、小さな、でも必死な声で僕の名前を呼んだ。


お梅さんは屯所の中に入っており、門のそばにうずくまっていた。


「ど、どうしたの?」


「わからないの。今日、突然変な人に絡まれてどこかに連れていかれそうに‥‥‥!」


なるほど、だから外からはしかくになるところに隠れてたのか。


んーそれにしてもこの怯えっぷりよう‥‥‥


何か訳あり?


「そんなに怖い人だったの?」


「最初は話しかけてきただけだったの。でも、
その後、縄で縛ろうとしてきたの」


おお、それは恐怖だな。


うーん、どうしようか‥‥‥


今は土方さんも近藤さんもいない。


山崎さんならいけるかな?


「お梅さん、とりあえず中に入ろう」


「え、ええ」


僕はお梅さんの手をひいて廊下を進む。


山崎さんは‥‥‥‥


「あ、七郎!」


「ん?あ、剣壱‥‥‥ってお梅さん!?」


「こんばんは」


「あ、こ、こんばんは!」


おお、七郎戸惑ってる戸惑ってる。


ま、お梅さんは超絶美人だからな。


「山崎さんってどこにいるか知ってる?」


「山崎さんか?山崎さんなら、もう自室で休んでると思うぞ」


「ありがとう!」


七郎に御礼を言い、山崎さんの部屋に向かう。