屯所に戻った僕は、土方さんの部屋に向かった。
「土方さん、剣壱だよ」
「ああ、入れ」
襖を開けると、だいぶお疲れの土方さんの姿。
目には真っ黒なくま。
机には沢山の紙の束。
「少しは休んだら?倒れるよ」
「そんな柔な身体はしてねぇ。それで、なんか報告があんのか?」
「まぁ最近調べたことをまとめると‥‥‥
一、街での大人の評判は最悪。
特に商人さんからの評判が悪すぎる。まぁお金を払ってないからなんだけど。
二、最近はあるお店によく出入りをしている。
場所は『丸一』っていう甘味所と『花服』っていう呉服屋。そこの娘さん達と仲がいい。
三、新選組に不満が出てきている。
これは近藤さんのことだと思う。後、僕にも不満を抱いている。
四、芹沢さんと仲のいいお梅さんが、最近、長州の者とおもわれる人物との接触が多い
とまぁこのくらいかな」
あまり有力な情報はなかった。
僕は新選組のことはよく分からないから、そう思うだけかもしれないけど。
探れと言われても、芹沢さんのことは土方さんの方が良く知っている。
だからこれ以上は踏み込んでいいか、僕にはわからない。
僕、新選組の一員というほどの者じゃないし。
「剣壱、一から聞いていくぞ。大人からの評判が悪いってのは?」
「芹沢さんね、子供からは結構評判いいんだ。
よく遊んだりしてるみたいなんだ。実際、僕も芹沢さんが子供達と遊んでるところ見たし」
「はぁ!?あの人がか!?」
「うん」
お梅さんに教えてもらった小さな広場。
確かにそこには、子供達と戯れる芹沢さんの姿があった。
「ま、まぁいい。そして二だ。そこの娘達の情報はあるのか?」
「まず、お姉さん達は問題ない。問題なのはその親。どっちも幕府にいい印象を持ってない。
だから芹沢さんと接触したのは何らかの目的のためか、ただたんに命令されたか。命令っていうより多分誘導だろうな。
どっちにしろ、新選組の情報を漏れるのを防ぐんだったら接触させるのは控えた方がいいことは確か」



