地元の駅の改札を出るとお父さんが迎えに来てくれていた。


「よぉ。遠いところごくろうさん。」


そういって私の荷物を車に積んでくれた。


「こっちにはいつまでいるんだ?」



「んーと、21日まで。3日間いる。」



「そうか。まぁゆっくりしていけ。」

「うん。」


私は車の窓から見る懐かしい景色に心が暖かくなる。


駅から車で10分くらいのところに、わが家がある。


昔ながらの純和風な平屋だて。


急な坂を登った先にある。


私の家はこの街を見渡すように建っている。


家に着くと玄関からお母さんが出てきた。


「おかえりなさい。あら、あんたまたキレイになって。そろそろ良いお話かい?」


「残念ながら、そうじゃありませーん。まだその予定はございません。」


「なんだい、あんたも25なんだし。そろそろ何かないのかい?」


「まぁーだー!!25!!」


「はぁー。あんたまだ、早乙女さんとこの坊っちゃんが……」


「昴は関係ない。」

着いて早々、お母さんの話にイラッとする。


「まぁ……とりあえず家に入ろう。」


お父さんに急かされて家に入ると荷物を置きに自分の部屋へ来た。


そして、本棚の中の高校の卒業アルバムを手に取る。


昴とは高3の時に同じクラスだった。