『あ、裕樹!おはよー!』
「オス。で、何?」

裕樹が八重歯を見せる可愛いけどちょっとガキっぽい笑顔をした

「大会にテンション上げるのはいーんだけどさぁ」

後ろにしていた右手を、前に出した
手には、何か円形の物体が握られていた

「コレ、なーんだ?」

『あっ』

瑞希と、顔を見合わせた
確認しなくても、その物体の正体は
クラス中
学年中
学校中
日本中の誰もが知ってる


「「春の甲子園!!!!」」