《間もなくスタートです》

競技場が静まり返った
俺達15人も、画面を覗き込んだまま黙り込んだ



《位置について――》

一ノ瀬(ポニーテール)が、屈伸を2回して、スターティングブロック(だっけ?)に足を置いた

2秒の静寂


《用意――》

遠くで、審判がピストルを持ち上げた





《バアンッ》

バッと一ノ瀬が飛び出した



「行け耀!!」
「今順位どーなってんの!?カーブ分かんね!!」
「3位だバカ!!」
「頑張れ一ノ瀬!!!!」