取ったはいいけど、ボールは予想以上に変な方向に曲がって…
…あ、コート出ちゃったよ

「っしゃあ来たぁー!!!!」

み…瑞希!!
凄い!!全国3位の俊足でボールをコートに戻してくれた

「うっしタイミングばっちし!!」

ズバンッ

裕樹が綺麗なジャンプでスパイクを決めてくれた

『すっ…』

凄い皆!!!!

瑞希が驚いた顔をして、あたしの方に走ってきた

「千夏ーーーっ!!!!」
『な、何かな?』

てゆーか近いっすよ;

「ち…」
『は?』

瑞希が膝を立てて座ったあたしの膝を指差しながら何か言った
は?「ち」が何だって?

「…血…」
『へ?ち?』

「血ィ出てんじゃんかよー!!」
『はぇ?』

「ぅっわ。マジだ」

裕樹と夕が寄ってきた

『へ…』

視線を膝に落とす
スライディングした摩擦(まさつ)で、赤い血が膝から流れ出ていた

『ホントだぁ』

結構傷深い…
両膝擦り剥いてるし…

「何かあんまり驚かないのな」

夕があたしの顔を見て言った

『いや、何かバレーで膝擦り剥くの中学以来で懐かしいな…と』
「何が懐かしいんだよ(笑」

瑞希が笑いながら、あたしの頭をはたいた

『いた(笑』
「どーする?保健室行くか?」
『あ、ダイジョブ裕樹。結構平気!』

普通に立ち上がって、レシーブの構えをした
バレーできないのにね(笑


『よっしゃ来い!!』

「…次千夏(笑」

『え』