「うん、かっこいいね」

美夜子が見せた写真には二人の男が写っていた。
一人はアイドルのような端正な顔立ちをしたいかにも『モテそう』な男。美夜子が指を差しているのはこっち。
もう一人は爽やかな見た目でスポーツマンのようだ。

「でしょ~?!あんなにたくさんイケメンいると思わなかったよ~」

写真欄を次々に見てはにやにやしているところを見ると相当お気に召したようだった。

「うちらの高校にもこんな人達がいたらなぁ・・・」

なんて言ってる美夜子だけど、クラスメイトと付き合ってた時はその人をイケメンと連呼してたのだから苦笑いするしかない。

「彼氏かぁ・・・」

私には彼氏どころか好きな人さえできたことがない。魅力を感じることはあってもどちらかと言えば尊敬の感情だと思う。

「いっそ誰かと付き合ってみちゃえば?」

美夜子もその事を知っている。
だから事ある毎に好きな人できた?!とか聞いてくるけど残念なことに一度たりともなかった。

「そんな軽々しく付き合うとか、私には無理だよ」

また苦笑い。

「次告られたら付き合っちゃいなって!後から好きになるかもしれないじゃん?」

そうだなぁ・・・、と漏らした時個室の電話が鳴り響いた。