反抗した回数は数知れず
そのたびに押さえつけられ、怒りに震え、絶望した
そんなことを繰り返すうちに反抗する気力も起きなくなり、親の言いなりとなった
そこからは思いのほか楽だった
何かに期待するから辛くなる
期待をしなくなった私は親や祖父に何を言われても一切取り乱さなかった
そんな私に満足したのか、祖父はある話を持ち込んだ
それが結城夏哉との縁談
結城家と神崎家の為
ただそれだけだけど、私たちの経営する会社には何千、何億という社員がいて家族がいる
人の上に立つ分何かを犠牲にしなきゃいけない
私にとってのそれが結婚であり、幸せな未来だった
