背中合わせの恋



それからは立食パーティーになり私たち二人は挨拶周りにせわしなく会場内を動き回った


素直に祝福の声をかけてくれる人もいれば、未成年の私たちに厳しい声をかけてくる人、自分の方が結城家に相応しいと全面的にアピールしてくる嫌味な家庭もあった


そんな人達に苦笑いしか出来なかった



けど、結城夏哉は違った


嫌味に嫌味で返すことはせず、正攻法で黙らせた


ぐうの音も出ないほど叩きのめすそのやり口にこれが結城家なんだと思い知った



「最低だと思うか?」

「・・・いえ、仕方ありません」


こういう世界は時に残酷だ

上下関係や礼儀などに厳しく小さなことが会社の運命を左右することもある

規模が大きいだけに失敗したときの損失は大きい


だからこそ、危険分子と判断すれば容赦なく叩きのめす


それが自分を守る方法でもある