「思い出せなくてごめんね」 『いいよ、君がこの年にここに来てくれたのが奇跡だ』 「神様なのに?」 『神様だから奇跡を願うんだよ』 儚げに笑った少年は、 いつか聞いたあの声の主。 私の手をゆっくりと包む冷たい手は、 あの時私を返してくれた長い指。