さよなら賑やかな夜よ。






“迷子なの?”


“……だれ?”


“怖がらないで、悪いものじゃないよ”


“……お母さんは”


“君ははぐれてしまったの?”


“……うん”




顔はわからない。



真っ暗で何も見えなかった。



ただ、鈴の音がなっているのが聞こえるだけ。




“ここをまっすぐ歩いてごらん”




その人が長い指を指した。



そしたら今までなかった道ができている。



“ここを歩けば君の両親の目の前だ”


“本当?”


“僕は嘘はつけないよ”


“ありがとう”