当時、私はまだ7歳だった。 両親に連れられて来た夏祭り。 浴衣がきつくて、私は疲れて両親とはぐれてしまったんだ。 一人で歩き続けていると、ついたのが神地神社の奥。 真っ暗で、祭りからは遠くて、急に恐怖心が沸き上がってきた。 “……おかあさ……” その時、ちりん、と鈴の音がしたような気がしたんだ。