「紅葉饅頭だ」

「うん。楓にお土産」

「ありがとう……」

「許してくれる?」

「……コンビニスイーツじゃ許さない」


紅葉饅頭をもぐもぐ頬張りながら楓は上目遣いで睨んでくる。

だがまったく怖くないな。逆に可愛いぐらいだ。


「じゃあ明日、楓が行きたいってた和菓子喫茶に行こう。それなら許してくれる?」

「……うん」


よっしゃ。楓とデートの約束したぞ。

近くで多くの車が停車する音を聞きながら、俺は心の中でガッツポーズをしていた。