「風魔さん、私、まだ教科書を持ってないんです。教科書を見せてくれませんか?」

「いいよ」


なんでよりにもよって楓の隣の席なんだよぉぉぉ!!

羨ましっ……いやいや、そうじゃなくって!いや、羨ましいけども!


「風魔さん、ここはどうしてこうなるんですか?」

「えっとね……。ここがこうなって」

「ああ、なるほど。ありがとうございます。風魔さんは可愛いだけじゃなく、頭もいいんですね」

「えっ……いや、そんなことないよ……」

「照れなくてもいいじゃないですか。本当のことなんですから」

「あの、ありがとう……」


猿飛コノヤロー!転校初日から楓といい雰囲気になるなんて生意気なんだよ!

距離近い!もっと離れろ!

楓を狙うなんて1000年早いんだよ!


「月神ー、授業中だぞー。前向けー」

「……すいません」


今日、先生から注意されんの何度目だろう……。