「でも……」

「ここだったら隠れる場所あるし。それに、まだ楓とこうしてたい。ダメ?」

「……いいよ。2人で先生に怒られよう」

「ありがとう、楓」


楓の肩に頭を乗せて、軽く抱きしめると、楓は戸惑いながらも俺の背に腕を回してきた。

直接感じる楓の温もりと香りで、荒れていた心が潮が引くように落ち着いてくる。

やっぱり楓は俺にとって特別な存在だ。

他の女を抱きしめたって、きっとこんなに早く心が落ち着かないし、癒されない。

やっぱり俺、楓のことが好きだな。

楓への気持ちを再確認した俺は元気を取り戻し、そして、約束通り2人で先生に怒られた。