「助けてくれてありがとう」


いつのまにか皇が隣にいて、俺たちにお礼を言った。

ふ~ん。皇を近くでみるのは初めてだけど、モデルみたいにスタイルいいし、けっこう綺麗な顔してんだな。

楓には負けるけど。


「別に構わねえよ。それで、どうする?もう暗くなるし、家まで送ってあげようか?」

「いいわ。迎えを呼ぶから」

「だったら迎えが来るまで待っててやるよ。楓、それでいいかな」

「うん、いいよ」


皇の迎えが来たのはそれから約10分後。

夜でもわかる高級感溢れる自動車が俺たちの前に停車する。

そして、中から執事っぽい爺さんが出てきた。

暴走族の姫をやってる皇だけど、やっぱりお嬢様なんだな。