智哉side
……あいつ、逃げたな。
俺は、そんなことを思いながらも、プシュッとチューハイを開ける。
……ビールは飲めねぇんだよ。甘党で悪うございましたね!!!
「(玲美と支那は今頃……。)」
復縁、したんだな。
「……やめやめ。諦めたじゃねぇか」
チクリ、と刺さる胸の痛みには、無視する。
―ブーブー
俺のスマホが鳴った。lineらしい。
そういえば、バイブだったな。
なんて、くだらないことを思いながらも画面を見る。
―夜遅くにごめんなさい。大丈夫ですか?
可愛い後輩からの連絡だった。
俺は迷わず、電話帳から"波奈"を選ぶとタップする。
『もしもし。』
「波奈。俺を慰めてくんねぇ?」
『……ふふ。ええ、いいですよ。』
俺も、次の恋に進めそうだ。
智哉side end


