彼女は泣いていた
理由は1つ
思いをつのらせているからだ

最上階の教室には汚れて黄色くなったのか、もともとクリーム色だったのかわからないカーテンから光がさしていた
彼女は窓側3列目1番後ろの席にいた

髪は長く肌が白いせいか髪は余計に黒く思えた
薄い水色のカッターシャツからは細く白い腕が見えていた
チェックスカートから見える足は昔運動部だったのか、少し筋肉のついた足がみえた

僕は音楽を聞きながら表情を変えずに泣く彼女の涙を綺麗だと思った
僕はその涙をぬぐえなかった

これは僕と彼女を繋ぐ初めての思い

そして初めての涙だ


彼女は、南あすか
僕は、神谷隆信(リュウシン)
僕たちは茶色のレンガが目をひく工業高校に通っていた
僕と彼女は1年の時からクラスが同じでそれなりに話をするほうだった
彼女は僕より背が低くいつもそのことで僕は彼女をからかっていた
「おはようー」
「あれ?南さんいたんだ!?全然見えなかった(笑)」
「それは悪うござんした!」
これが毎日の日課のように続いていた
僕は彼女が…
おっと、これはまだ話さないでおこう
まだ彼女にも秘密だから