「はぁ~...」
「どうしたの?
そんな溜息ついて。」
学校からの帰り道、私のあまりにもでかすぎるため息に、由夏が首をかしげる。
「いやぁ、今日の授業中のこと思い出して、チョットねー...」
「ふ~ん。なんかあったの?」
「それがね、私自分でもおかしいくらい、小田桐君の一つ一つの行動に反応しちゃうんだよね...」
「反応って、どんな風に?」
「その...なんていうか...
緊張?ドキドキ?みたいな。」
「はっ!!」
私の話を聞いていた由夏が、急に目を丸くする。
「なに?どうしたの?!」
「私、気付いちゃったの!!」
「えっ? なになに??」
「ヘッヘ~ン♪」
由夏の小悪魔スイッチとオタクスイッチが、同時にONになる。
「篠原日葵、あなたそれは「恋」よ!!」
私をビシッと人差し指でさした由夏は、ありもしないザマスメガネを、クイッと上げる素振りをした。

