(私はヨボヨボのおばあちゃんになる前に、心臓発作で死んでしまうのではないか... )


そう思ったのは、17年間、生きてきた人生の中で今日が初めてだった。





小田桐君は、とても優しかった。


勉強の時は、しっかり真面目に、なんでもこなせてしまうところはとてもかっこよかった。

でも、友達とはしゃぐ時となれば、子供のように全力で楽しんでいるところが、とてもかわいく思えた。




...が。






 ――― 授業中。




「日葵ちゃん、俺ここよくわかんないんだけど...」




と、いいながら私のノートを覗き込み、数学の問題を指さす。




「っ///!!」


(げっ!顔、近いっ/// )




不意な小田桐君の急接近に、私は驚きを隠せない。 が、




(ん?これ、一番簡単な問題じゃん...)




小田桐君が指さす問題は、今日の数学の問題集の中で一番かんたんな問題だった。




「小田桐君、ノート見せて?」




そういうと、小田桐君は「はいっ」とノートを渡してくれた。