「なんでって...みんなそうだから?」




「じゃあ...

『小田桐君』なら、いける?」




「何とか...頑張れば...」




「よし!じゃあ、今日からよろしくね。

日葵ちゃん。」




そういって小田桐君は、いわゆる「女子のハート秒殺スマイル」で、私に微笑みかけた。




「っ...///」



(ギャー!いきなり、下の名前にちゃん付けー!!

てか、何ですかそのスマイルは!!!)




その言葉に固まってしまった私は、自分の顔に異常な熱を感じた。




「日葵ちゃん、大丈夫?

顔、真っ赤だけど...。」




小田桐君が、心配そうに私の顔を覗き込む。




(もう、これ以上はムリ~!!)




「あ、あの!

と、トイレ、いってきます!!」




そういって、私が立ち上がったその瞬間、

 

 
 ガラッ



「お前ら、席つけ~

出席とんぞー。」




(ガーーーーーン!!

なぜ、この、タイミングにサ・ワ・ダ!!!)




あまりのショックに、私は抜け殻のように座り込んでしまった。



誰かに助けを求めようと、由夏のほうを見つめる。



私に気づいた由夏は、




(よかったね♪)



と、口パクで言って私にウインクを送った。




小田桐君は、まだ何か心配そうに私をじっと見つめてくる。





 ―――― 篠原日葵、17歳。 

 神様。私は、どうなってしまうのでしょうか?