私の問いに、由夏が首をかしげる。




「今日は...

たしか剛が、剛のクラスに転校生がく...」





バンッ





いきなり聞こえた大きな音に、教室中の視線が一点に集まった。






教室の前の扉。



そこで仁王立ちをした、きれいな女の子。



教室中をキョロキョロと見渡した彼女の視線が、なにかをロックオンした。


キャーッと飛び上がって喜ぶ彼女は、そのままズカズカと教室に入ってくる。



その彼女が向かった先には...




(まさか...)



「冬真く...」




私がその名を呼びかけた時には、もう遅かった。




「Oh~!

My fiancee!!」



(...おー、まい ふぃあん...せ?)




そう叫んだ彼女は、そのまま目の前の冬真君に抱きついた。




(ふぃあん...)



「ふ、ふぃっ、フィアンセぇーーー?!!」





――― 篠原日葵、17歳の秋。

恋のライバル、出現です。