カロンがすっ飛んで行ったのはもちろん小鳥の部屋だった。
「おい!!」
肩で息をしながらバンッと監禁部屋の扉を開ける。
「っ!!カロン、さん…!?」
ソファーに座っていた小鳥は膝の上に置いていたクマのぬいぐるみを持って反射的に立ち上がった。
「どうして、カロンさん…行ったばっかりじゃ…!」
ご飯時でもない今の時刻。
戻って来るには早過ぎるため、小鳥は訝しげにカロンを見上げた。
見つめられ、カロンも見つめ返す。
小鳥が涙目なのを確認すると、彼は不機嫌そうにズバリ言った。
「おい、小動物。今さ、ツライとか悲しいとか寂しいとか思ってただろ?」
「え…えっ!?」
「おまけに俺のこと馬鹿って言ったよな」
「あ……どうしてそれを!?」
エスパーですか!と目を輝かせる小鳥の頭をカロンは呆れ顔で撫でてやった。
「んなわけあるか。盗聴器だ」
「…………え」
「ちなみに、あんたにあげた首輪には超小型の発信機が…」
「ええぇ!!?」
「ハハッ、冗談だ」



