EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】



(……わかってる。ああ言って突き放したことに、後悔なんてねぇ)


自分に関わったらフェオドールが傷つく。

現に、母親はフェオドールにハサミを向けた。


(俺が大人しく監禁されてりゃ良かったんだからな。それで誰も傷つかないなら……フェオを守れるなら、悪役になったって心は痛まねーし)


本当は行ってほしくなかった。

戻ってきて、見捨てないで、と叫びそうになったのを飲み込んで。

代わりに暴言を吐き出した。


(最近よく昔の夢を見るのは…小動物を監禁してるから、か…?)


重なるのだろうか。

昔の自分と今の小鳥の生活は重ねようにも重ならないとカロンは思う。


(経験者の俺が理想的な監禁を提供してるはずなんだけどなぁ…。どっちかっつーと軟禁ぽくなってるし)


それでも気が咎めるのだろうか。

自己の中にある正義が赦さないのだろうか。

溺愛と称して小鳥に押し付けているエゴイズムを。