「盗聴器…って、ええっマジで!?」
驚いて思わず大声を上げてしまったアルトだが、授業中だと思い出し、慌てて手で口を塞ぐ。
蜜莉はというと、呆れて頬杖をついていた。
「小鳥の部屋を盗聴中ってこと?犯罪じゃない?それ」
「ハニーの言う通り!ヤバイっしょ、それはっ」
「これはペットの飼い主の特権。つまり俺は許される」
ドヤ顔で言ってのけたカロンにちょっぴりイラッときた友人二人だったが、それも一瞬のこと。
「全くカロンは…。バレて嫌われないようにね。気をつけて」
「バレねーもん」
軽い溜息をつく蜜莉。
アルトはすっかり講義を無視して会話を続けた。
「小鳥ちゃん、どう?なんかしゃべってる?」
「いやー……うん。テレビの音はする」
一人で部屋にいるならばこれでいい。
誰かとしゃべっていたら大問題だ。
(あ、この曲…俺らの歌か)
おそらくテレビで自分達のライブ映像でも見ているのだろう。
(そっと置いてきたかいがあったか。良かった)
以前、ライブ映像を録画したものがあると話したら見てみたいと言っていた小鳥。
無言でテーブルの上に置いてきたのだが、気づいてくれたようだ。



