窮屈な檻に閉じ込められる辛さは知っている。
憂いを帯びたカロンの赤い瞳から、小鳥は声なき声を聞いたような気がした。
「……大事な子達じゃ、なかったんですか…?」
「まあそうだけど……今の俺には特別なペットがいるからな。あんたさえいればいい」
そう言って優しく頭を撫でてくるカロン。
いつもなら撫でられて安心感を覚える小鳥だが、今は逆に不安が広がった。
「カロンさんは……どうして私を、閉じ込めるんですか…?」
「ん?今更聞くことか?あんたが大事だからに決まってんだろ」
堂々と言ってのけたカロンを見上げて、小鳥は慎重に言葉を選んだ。
「なら、もし……カロンさんが私の立場だったら……監禁されるのは、嬉しいですか?」
質問を聞いた瞬間、僅かに目を見開いたカロン。
少し間があったが、彼はハッキリ答えた。
「……ああ。嬉しい」
まさかの答えに小鳥の心臓がドクンと鳴る。
「監禁て言っても手錠されてるわけじゃないし、部屋は明るいし、何でも揃ってるし、融通きくご主人様だし、第一……」
蕩けるような表情でカロンは笑う。
「愛があるからな。愛情のない監禁が一番最低。本当……最低だ」
笑顔から一変。
低く呟くとカロンは小鳥を廊下へ出るよう促した。



