翌日、うなされていたことなど嘘だったかのようにスッキリ目覚めたカロン。
それを確認してホッとした小鳥が彼と一緒にキッチンへ行こうと部屋を出た時だった。
「あれ…?カロンさん」
「ん?」
「ここにいたペット達はどうしたんですか?」
小鳥がいる隣の部屋の檻には確か黒ヒョウが二匹いたはずだが、どういうわけか檻は全て空っぽになっている。
「ああ、ガブとアブなら逃がした」
「え!?逃がしたって…!」
「最近あんたに構いすぎて餌とかやり忘れてたからな。ちゃんと世話できないなら自由にしてやった方がいいだろ?」
「黒ヒョウを逃がしたんですか?どこに…?」
「その辺。たぶん今頃は野良猫となってたくましく生きてる。うん」
カロンにとっては捨て猫感覚らしいが、その辺に黒ヒョウがいたら人間にとっては危険だ。
「軽々しく捨てるなんてダメですよ!あの子達だって、いきなり追い出されて寂しがってるかもしれないし…」
「それはねーだろ。今まで俺のエゴであいつらを閉じ込めてたんだ。きっと自由になれて清々してるぜ」



