フェオドールが席から立ち上がろうとした丁度その時、タイミングよく三人が目を覚ました。
「ん……なんか、さみぃ」
プルリと震えるカロン。
「あれ…?ここ、どこ?」
ルカがボンヤリする頭でキョロキョロと店内を見回す。
「ねえ、何がどうなってんの?僕の服は?まさか寝ている間にお前が剥ぎ取ったとか?ハッ、とんでもないメスブタだな」
理不尽な言われように小鳥は顔を真っ赤にさせた。
天使なチビっ子オーレリアンを恋しく思いながら濡れ衣を晴らすため、これまでのことを説明する。
「は…?子供になってた?俺達が?」
ルカがポカンとした表情で口を開けた。
「覚えてないんですか?」
一斉に頷く三人。
これには小鳥とフェオドールが驚いた。
「ね、ねえ、まさかとは思うけどさ。僕……お前になんか…変なこと言ったり、とか……した?」
頬をほんのり紅潮させてオーレリアンが尋ねてくる。
動揺しているのか、視線があちこち動いていてせわしない。
「変なこと…?」
可愛いだのお嫁さんだの色々言われたが、変な発言かと問われれば違うような気もする。
そう、あれは全て「無垢な子供の可愛らしい発言」なのだ。
「いえ、特には」
この答えを耳にしてあからさまにホッとしたオーレリアン。
そんな末っ子を横目にフェオドールが今度こそ立ち上がる。
「服を取りに行ってくるからここで待っていてくれ。なくなっていたら新しいものを買ってこよう」



