「次にカロンと会ったのは、それから一年後くらいだ」
定期的にカロンの屋敷へ出向いていた父親にくっついて遊びに行ったフェオドール。
到着して早々、居間にシャルロットと父親を残し、彼はカロンの部屋へと走った。
窓のない、あの部屋へ。
――カロン…
扉の外側に掛け金がかかっていたので、それを外し扉を開ける。
そして見た光景は――。
「……異常だと、思った」
暴れないための手錠。
逃げ出さないための足枷。
行動を抑制するための首輪。
薄暗がりの中で啜り泣く子供の声が聞こえる。
――カロン…
そっと呼び掛ければ、小さな身体がビクリと震えた。
互いの視線が交わる。
――あっ……!
フェオドールを見た瞬間、カロンの瞳に恐怖と焦りが宿った。
しかし、それに気づくことなくフェオドールは話し掛ける。
――カロン…。フェオだ。覚えてる…?
一歩、また一歩とゆっくり近寄ると、カロンが急に大声を上げた。



