カーッと小鳥の頬が熱くなる。
「か、買い被り過ぎですよ…!」
「そうか?こういう勘は当たる方なんだけど」
クスリと笑ってフェオドールは手を離した。
それから真剣な顔つきになったかと思うと、彼は少しの間、何かを考えている様子で小鳥をジッと見つめていた。
「マドモアゼル、君に……知っておいてほしいことがある」
おもむろにフェオドールが切り出した。
「なんですか?」
「……カロンの、過去」
小鳥の身体にピリリと緊張が走る。
「カロンを選んだ君は知るべきだ。カロンは知られるのを嫌がるだろうが…。俺が知っていることは君に話しておきたい」
――やめとけよ。聞いたってろくなもん出てこねーから
カロンの声が小鳥の頭の中で蘇る。
――あんたが俺のことを知りたいと思ってくれるのは嬉しいけど……踏み込まれると…キツイ
あの時のカロンを思い出して、小鳥はギュッと拳を握った。
「やめて下さい…。カロンさんは…昔の話はしたくないって……踏み込まれるとキツイって言ってました。だから、私が勝手に聞くなんてできません」
ハッキリと拒否する小鳥。
予想外だったのか、フェオドールは一瞬だけ目を見開いた。
そして、ふわりと微笑む。
「……やはり、君は優しいな。だが、いい加減カロンは向き合うべきなんだ。逃げているだけでは何も変わらない」
――覚悟を決めろ。カロンも、君も
そう、青い瞳は語る。
「俺の弟のこれからのために………聞いてくれ、小鳥」
断るという選択肢はないのだと小鳥は悟った。



