いきなり飛び出た「お願い」に目を見開く。
フェオドールは続けた。
「カロンを見捨てないでやってほしい…。そして、できるのならば……」
――愛してやってくれないか
「家族愛でも、男女の愛でも何でもいい。カロンを、愛してくれ」
弟のためを思ってここまで言うフェオドール。
小鳥は当然の質問をした。
「フェオさん…どうして、そんなことを…?」
「……カロンは、愛情というものをよくわかっていない。やたらと溺愛にこだわるのはそのせいだ」
ペットやぬいぐるみを可愛がることはできる。
しかし、大切な人に対する愛し方を知らない。
「君が教えてやってくれないか。閉じ込めて可愛がるだけが愛じゃないと。そんなことをしなくても大丈夫なのだと」
「私、が…?」
驚いた表情をする小鳥にフェオドールは微笑んだ。
「ああ。君なら、きっと……カロンの心を解放できる」
「そんな……私なんかができるでしょうか…」
グラスを弄りながら俯く小鳥。
そんな彼女の手にフェオドールはそっと自身の手を重ねた。
「できる。君は、優しい子だから」



