お腹が満たされたら眠くなるのは吸血鬼も同じらしい。
くーくーと可愛い寝息を立てて座ったまま眠る子供三人を小鳥は微笑ましく見つめた。
「少し寝かせておこう。そしたら屋敷へ帰る」
「はい」
もう帰るのか、とちょっぴり残念に思う。
(今日は楽しかったな)
パンダのぬいぐるみを抱きしめてスヤスヤ寝ているカロンを眺め、ふと考えた。
(でも……いつになったらカロンさん達、もとに戻るんだろう…?)
全くわからない。
待つしかないかと結論づけて、グラスに入っている水を一口飲む。
「……カロンと過ごしていて、どうだ?」
「え?」
唐突に質問され、小鳥はフェオドールの顔を見た。
「嫌では…ないか?」
「嫌だなんて…そんなこと…」
自分でカロンを選んだのだ。
後悔はしていない。
そう伝えようと小鳥が口を開きかけた時、苦しげに、そしてどこか悲しげにフェオドールが言葉を紡いだ。
「マドモアゼル、お願いだ。カロンを……嫌いにならないで…くれ」



