やっと店が見つかった。
全員が安堵しつつ席に着く。
店の奥にあるテーブル席は他と仕切られており、闇人のみの客からは見えないようになっていた。
「こちらが人間用のメニューになります」
渡されたメニューを見るとナポリタンやカルボナーラ、他にカレーやオムレツなど、色々載っている。
「どうだ…?食べられそうなものはあるか?」
「はい、大丈夫です」
返ってきた小鳥の笑顔にホッとしてフェオドールもメニューを見る。
こちらは闇人用のものだ。
「にいさま、ぼくね、これ」
「おれはこれな!」
「ん……よくわかんねーけど……これがいい」
「……オーレリアン、それは酸っぱい。こっちの甘いのにしなさい。ルカ、薄味になるがいいのか?カロンの好みはよくわからないが…それはかなり粘っこいぞ?」
兄弟が話し合っている横で小鳥は自分の注文を決めた。
(うん、カルボナーラにしよう。飲み物は……さっき水置いてってくれたし、いいや)
こういうところで節約癖を発揮していると、フェオドールがメニューから顔を上げた。
「決まったか?店員を呼ぶが…」
「はい、お願いします」
フェオドールに任せれば先程と同じ女性店員がすぐにやって来たので小鳥からメニューを注文することに。



