EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


カロンの目が見開かれる。

「……そう、なの?本当?フェオ」

「ああ。だから思いっきり遊べ」

「で、でも……」

まだ納得できないのか、カロンはなかなか動かない。

それに苛立ちを覚えた白魔がガシッとカロンの首根っこを掴んだ。

「ああもうっ、グダグダと面倒臭いね。ほらおいで。僕が遊んであげる」

「うわっ!?なにすんだ!放せ!」

このタイミングで、ナイフをキャッチしたルカが戻ってきた。

射的ゲームの前にいた彼らだが、白魔が歩き出したのでついて行くことに。

「僕はナイフ投げがやりたいんだ。付き合いなよ?」

「なんで、おれが…」

不満そうな顔をするカロンだが、ズルズル引きずられて逃げられない。

その間、ルカはというとあっちをウロチョロ、こっちをウロチョロ。

「ルカ、離れるな。ほら、手を出せ」

好奇心旺盛な弟が行方不明にならないようフェオドールが手を繋ぐ。


(フェオさん、大変そう…。でもいつもよりお兄ちゃんて感じ)


オーレリアンを抱っこしたまま片手にはルカ。

「なんだか、こうして見ると兄弟というよりも親子だね」

金髪三兄弟を眺めて静理がクスリと笑う。

「そうですね。フェオさんがお父さんみたいです」

「ハハッ、言えてる。フェオパパとその隠し子って感じだね」

「………パパじゃない」

三人に言われムスッとしてしまったフェオドール。

そんなこんなで屋台巡りが始まった。