見ていた長男次男小鳥が「犬か!」と思ってしまったのは仕方ない。

身体を動かすことが好きなルカはナイフを追って駆け出した。

「さて…ルカはこれでいい。問題は…」

言いかけた時、フェオドールの腕にオーレリアンがガシッとしがみついた。

「にいさま。だっこ」

「……わかった」

やれやれといった表情で末っ子の我が儘を聞き入れるお兄ちゃん。

要望通り抱っこしてやろうと彼が腕を伸ばした時、オーレリアンと小鳥の視線がバチリと合った。

「あ……はじっ…はじめ、まして」

サッと兄の後ろに隠れて恥じらいながら会話を頑張るチビっ子オーレリアン。

「ぼくは、オーレリアン。おねーちゃんは…?」

「あ……わ、私は小鳥です!」

「ことり…?かわいいなまえ…!」

純粋過ぎる天使の笑顔に小鳥はやられた。


(いつものオーレリアンさんと違いすぎる!可愛い!)


昔はこんなだったのか。

ずっとこのままなら良かったのにと思わずにはいられない。

「ありがとうございます」

ニッコリ笑顔を返しながら頭を撫でてやると、オーレリアンはポッと頬を赤らめた。

「おねーちゃん…かわいいから、ぼくのおよめさんにしてあげる。ねえ…いっしょにあそぼう?」