EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


「くっそ…!後で覚えてろよ、ルカ」

ギロリと兄を睨むオーレリアンと、悪戯っ子のような笑みでニシシと笑うルカ。

二人のやり取りに苦笑しながら小鳥はお菓子を摘もうとした。

が――。


「食うな小動物!」


「えっ?」


カロンが小鳥の手の届かない位置にサッと箱を持ち上げる。

「カロンさん…?」

「やっぱり……毒盛りやがったな…」

「は?」

驚いた声を上げたのは氷河だった。

「なんか…身体が、熱い……ヤバイ…感、じ……っ」

苦しげに息を吐きながら途切れ途切れに言葉を紡ぐ。

次の瞬間、カロンはガクリと膝をついた。

「カロンさん!?」

うずくまるカロンに近寄り、背中をさする。

周りを見れば、ルカとオーレリアンも立っていられずに膝をついていた。


「これはどういうことだい?」

静理が凍てつく眼差しで氷河を見やる。

彼の片手には愛用のムチが。

「俺は何もしていないぞ!本当に、店で買ったものをそのまま渡しただけだ」