カロンが行くならと、皆でぞろぞろ射的ゲームの屋台へ移動する。
その店は他と比べて奥行きが深く、撃つ位置から的までの距離がかなり離れていた。
的は等身大の人間を模しており撃ち抜いた部位によって景品が異なるらしい。
「あんなに遠くて届くんですか?」
「実弾だから余裕」
「えっ!?実弾って…本物の銃なんですか!?」
カロンの説明を聞いて驚きつつ、丁度今狙いを定めて撃っている男性客を観察した。
サイレンサーが装着されているため音はそこまで酷くない。
男性客の弾は見事、的の心臓部に命中。
「おお!一発で心臓を撃ち抜くとは素晴らしいですね!おめでとうございます!景品はこちらになります」
男の店主が客に景品を手渡す。
それは黒猫のシルエットが入ったピンク色の可愛らしいポーチだった。
「ほら、月那。お前にやる。欲しかったんだろう?」
「えっ?えええ!?どうしてわかったんですか!?私、欲しいなんて一言も…!」
「何年お前と一緒にいると思っているんだ?俺を見くびるな」
「ううっ……ありがとうございます氷河さま。とっても嬉しいです」



